
旅行が楽しいかと問われれば微妙である。案内役のいない個人旅行は、道はわからないし言葉は不自由だしひもじいし、辛いと思うことの方が多い。正直、帰国日が待ち遠しいのもしばしばだったりする。だが、そんな日々を過ごした旅の方があとに残る思い出は鮮やかで、1週間もすれば再び「どこか行きたい」と悶々しはじめるのだ。
辛かった旅行の最たるものは、オーストラリアのバングルバングルツアーだった。40度を超える炎天下を1日中歩き回り、2泊3日の間シャワーは1度も浴びず汗で体を拭いてその上からその上から日焼け止めクリームを塗りたくっていたことは、今でも語り草である。
バングルバングルに行こうと思ったきっかけは、オーストラリアを1周した人から「いちばんよかったのはバングルバングル」と勧めがあったから。実際に目にしたその素晴らしさは言葉で言い表すのが難しいが、蜂の巣模様の奇岩群はまさに自然のマスターピースで、「秘境」の名に相応しい雄大さだった。